激愛~一途な御曹司は高嶺の花を娶りたい~
私がおそるおそる伝えると、彼はハッした表情を見せる。


「ごめん。俺、どうかしてて……。時差ボケかな」


なんてごまかしているが、あきらかにあの女性を見てから変だ。


「そう、ですね。洋服、本当にありがとうございました。それでは」


私はもう一度お礼を口にしてからすぐに彼に背を向けた。


「バカだな、私」


きっとこれで最後だ。
彼にはもう会わないだろう。

だいたいあんな素敵な男性が私と本気で付き合うわけがない。
ちょっとした気まぐれ……いや、失恋の痛みを癒すためだったのかも。

お見合いをしたときは断らなければと一生懸命だったのに、胸が苦しい。

宝生さんに惹かれ始めていたからだ。


「いい、出会いだったな」


恋は進展しそうないけれど、仕事の窮地を救ってもらえた。

フローリストとして輝いていると褒めてももらえた。
それで十分。

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