守られて、愛されて。
終業時間が来ると定時で帰る人がざわざわと騒がしくなる。
今からご飯だとか、合コンとか恋人とデートだとか……私には縁のないことだと思ったのに。
「え……っ、なんでこんなとこに来てるのっ!? 近くで見るとかっこいい……」
まだ残っている女子社員たちが一層に騒ぎ出した。
「花奈ちゃん、迎えに来たよ」
「え……どうして専務が?」
ここまで迎えに来た彼はキラキラしていてみんなの目が釘付けだ。
「ん? 花奈を、迎えに来たんだよ。これから食事に行く約束だったでしょ?」
「そ、そうですけど……っ」
「俺たち婚約者だし……必死なんだよ、花奈に好かれたいから。」
私は、注目の的……もう穴が開いてたら入りたい。
入りたい……助けて、
郁萌さんは耳元で「ご飯行こう」と言う。それだけなのに、耳元で囁かれたからドキドキする。
ざわざわしているオフィスから郁萌さんに手を引かれ、彼の車に乗り込んだ。