守られて、愛されて。
「郁萌さん……ここは?」
「説明より食べた方がいい」
やって来たのは焼き鳥屋さんだった。焼き鳥、食べるの初めてだ……美味しそう。
「いただきます……」
ねぎまにつくね、ささみにハラミ……たくさん皿に乗せてくれた。
「もしかして、焼き鳥屋初めて? 」
「あ、はい……すみません」
郁萌さんは、「貸して」と言い串から肉を皿に下ろしていき種類別に盛り付けてくれた。
「ありがとうございます……」
「うん、大将の焼き鳥めっちゃ美味いから食べてよ」
大将……オーナーみたいなものだろうか。
焼き鳥はとても美味しかった。
初めてだったけど美味しいし、楽しい……きっと郁萌さんとだから。
「ねぇ、花奈ちゃん。俺、誰よりも君を愛してあげられる自信あるよ。」
「え……」
「聞いたんだ、だからってわけじゃないよ」
聞いた、って何を……?
「……花奈ちゃんがどんな生い立ちだろうが関係ない、俺に守らせてくれないかな」