僕からの溺愛特等席


気まずい空気が流れ、当麻さんは笑顔を浮かべたままキッチンで手伝いを始めた。



糸くんも黙々と作業している。



私はカウンターに向き直り、トーストを齧る。
心なしか私の心に伴って、トーストもサクサク感が減って、しなしなになって元気がなかった。



いや、それは時間が経ったせいかと思い直す。最後のひと口を入れた頃。



「えっと、三春さんは、よくここに来るの?」



奥から布巾を持って、こちら側に出てきた当麻さんが言った。



私の座っているカウンター席を端から拭いている。



「ええ、はい。雰囲気も私好みで料理も美味しいし、よく来てるんです」


「そうかそうか。でも、糸は、愛想がないだろ? だから、こんな綺麗な常連さんがついいてくれたなんて、驚いてるよ」


 私は苦笑いを浮かべる。



お世辞もそうだが、糸くんへ向けられた棘のある言い方に内心むっとする。


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