私と後輩くん。



それから、バイトに行くと必ずと言っていいほど快はいた。
この子、いったいどのくらいバイトに入っているんだろう…

まぁ、なんか夜間って慢性的に人手不足だったし助かるんだけど。


だけど快が来てから
着々と女の子のお客さんが増えた。

これまで夜間は仕事帰りの大人たちが多かったのに…
なんかとにかく女子高生が増えた。

もちろん、目的は快。
だから快のレジばっかり混んじゃって快は大変そうだけど

「いやまぁ仕事なので。
俺は全然かまいませんよ」

とのこと。
このイケメン、なんか欠点とかないの?
本当にいい子すぎるんだけど。


そんな毎日が続き、私の春休みは終わりを迎えた。


「莉乃~」

「あ、美優!
久しぶり!全然遊べなかったじゃん」

「ごめんごめん!」


美優は大学入ってできた友達。
私はここが地元じゃないから、知り合いが誰もいなかった私に話しかけてくれたのが美優だった。

おかげで友達はすぐにできて、あっという間に楽しい大学生活になったんだよね。


「あ、彼氏とハワイ行ったんでしょ?
どうだった?楽しかった?」

「当たり前じゃん!
莉乃は?地元帰った?」

「まぁ少しね~
成績のこともあるし」

「莉乃は頭いいからなんの問題もないね」

「いや別に特別いいわけじゃないじゃん。
普通だよ、普通」

「それで普通とか言える時点で頭いいよ」

「なにそれ」

「ってか地元帰る以外なんかなかったの?
どっか行った?」

「ううん、バイトで忙しかったし特別出かけることはなかったかな」

「えー、1年の時が一番遊べるのにもったいなーい」

「まぁいいじゃん」


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