死んでもあなたに愛されたい
ふへふへ、われながら気色わるい笑みを漏らしながら、糖分過多な成分を体内にしみこませていると。
また、あごをさらわれ――ぺろり。
「……? !?」
「ん。あめぇな」
「っ!?!?」
なっ。
な、な、……なめられた!!!
口の端についてたクリームを、かみつくように。
毛穴の奥にまでしみた分も、ざらざらとした舌に絡めとられたかと錯覚した。
それくらい、濃厚で、妖艶な、インパクト。
忘れたくなくて噛みしめていた味も、一瞬で忘れちゃった。
口の中のクレープも、ごくんと飲みこんで、ぜんぶ胃の中。
……胸焼けした。
しばらく治りそうにないよ。
「おやおや。マーキングしてるみたいですね」
「うっせー」
「わたしもそっちの味、食べてみたいです。シェアハピしましょ?」
今のあたしは、さながら無双状態。
つぅちゃんの積極的攻撃も、見逃してあげる余裕があるのよ。ほほほ。
あ~~んする以上に刺激的なコトされちゃったら、ちょっとやそっとじゃ焦りませんよーん!
オトナの階段をひとつのぼった気分!
「あら~? カイに、ひとみんじゃない!」
あ、マユちゃん先輩だ。
大量のショッピングバッグをぶら下げ、こちらに駆け寄ってくる。
「こんなところにいるなんてめっずらし~。何してるの?」
「クレープ食べてる」
「マユちゃん先輩は? ひとりショッピング?」
「これはいいのがあったからついね。本命は、こっち!」