死んでもあなたに愛されたい
正直、逃げるよりは、赤羽くんの意見に賛成。
人がいようがいまいが関係ない。
戦いが始まったら、みんな避難していくし。
1人残らず殺るには、真っ向勝負が手っ取り早い。
だけど……つぅちゃんは、あたしとはちがうもんね。
野蛮な考えは、お気に召さない。
「おふたりが人通りの少ないほうへ逃げてくだされば、ぼくが足止めいたします」
「純也だけで?」
「幸い、近くには、あの死神と神亀の総長様もいらっしゃるようですし。あちらが察していただけたら、戦力は申し分ないかと」
「……マユちゃん先輩のこと、知ってたの?」
当然です、と赤羽くんは目を細めた。
「つむぎ様がおもむく街について調べるのは、従者の務めですので」
「さっすが白鳥家」
大切な愛娘だもんね。
未知の無法地帯に、のこのこ行かせはしないか。
相変わらずの過保護っぷり。
そこまでしても、足りない。
こんな状況になっちゃうんだから。
守り抜くって、つくづくむずかしいね。
「赤羽くんの作戦でいこう。あたしがつぅちゃんを連れて、正面の入口から路地に突っ走ってく」
「敵を先へは通さないように努力しますが、万が一の場合があります。そのときは……」
「平気。追手が来ても、こっちで対処するよ」
「……心強いです」
「ひぃちゃんと一緒なら安心だよ……!」