死んでもあなたに愛されたい
あんなんでも、成人男性並みのパワーはある。
小学生なんかひとたまりもない。
なんでここに来れて、姿を見せちまったのか知らねぇが、さっきみたいに隙をついて助ける?
無理だ。無謀すぎる。
「どこのクソガキか知らねぇが、ちょっと調子乗りすぎたナァ?」
恩とか、正義感とか、好奇心とか。
そんなもんで守れるのはおとぎの国でだけ。
逃げろよ。
逃げてくれ。
どっちも助からなくなる前に。
「っ、……に、げ、……ろ……」
「お兄さん、へーきだよ。あたしたちは、にげるんじゃなくて、おうちにかえるの。あの黒ブタヤローなんかちょろい、ちょろい!」
「……ものを言うときは、相手を見極めてから言えや。生意気ぶっこいてんじゃねぇぞゴルァ」
「はぁ……。だーかーらー、それもブーメランだって、黒ブタさん」
「はあ?」
依然として、女の子の口角は上がっていた。
「あんたこそ、あたしが何者か知らずに、そんなこと言っちゃっていいの?」
「そんなんいいに」
「決まってる? 本当に?」
男の言葉をさえぎるようにかぶせ、女の子はおもむろに、長い長い前髪をかきあげた。
ぎらり、と。
何かが光った、気がした。
「あたり……ま、え…………っ」
「ふふっ」
「な、なんだ、そ、その目……!!」