死んでもあなたに愛されたい
目。
あれは、本当に、瞳なのか。
かげりを帯びても、透明に、それでいて不透明に光る。
色のない水晶は、ヒトのものとはとうてい思えない。
グレーのカーテンの奥にひそんでいた、まさしく、パンドラの箱。
「目……が……っ、き、気色わりぃ……!」
「さっきまでのいせいはどうしたの? こわい?」
「き、き、貴様、一体……っ!?」
あの女の子は、誰だ。
俺の知ってるのは、いつもきらきらしていて、無邪気なわんちゃんみたいな子……だった、はず。
でも、今、目の前にいるのは。
鋭利にとがり、ぎらついた――ケモノ。
「白雪 ひとみ。それが、あたしの名前」
「し、白雪……だと……!? まさか、あの!?」
「はい。白雪組の、ムスメですが何か?」
え!? 白雪組!?
ここらでその名を知らない者はいない。
裏社会を統べる、言わずと知れた極道一家。
あの最凶最悪なヤクザの娘が……この子!?
「それでもあたしにケンカを売れる?」
「……た、ただのハッタリか何かじゃ……」
「べつに、しんじられないならいいけど。ケンカ売るならちゃんと買うし」
「…………い、いやいや、たとえ本当でも、こんなガキがオレに敵うわけがねぇ……!」