死んでもあなたに愛されたい
第2の作戦は、とにかく体当たり。
当たって砕けろの精神でやってやる!
まずは魁運がよく使う裏門に、あたしもスニーカー片手に向かってみる。
あたしが教室を出たときには、すでに魁運の姿はなかった。
相変わらず行動が早い。
裏門から帰ってる確率が高いから、もしかしたら今なら追いつけるかも。
早歩きで裏口から校舎を抜けると、裏門の辺りにバイクが停まっていた。
あの大型バイクは……。
「マユちゃん先輩?」
「あら、ひとみんじゃない。ひさしぶり~」
バイク自体もそうだけど、彼自身、挙動不審に動いていてかなり目立っていた。
人通りの少ない裏門だったからよかったものの、先生に目撃されたら連行されていたのでは……?
「何してるんですか」
「カイを探してるんだけど見当たらなくてねぇ」
「魁運ならとっくに帰ったと思いますよ」
「ええ!? あいつ早すぎでしょ……」
あたしもそう思う。
魁運の時間だけ、速度を遅くしたいくらい。
「また集会ですか?」
「んーとねぇ、今回はちょっとワケありで」
「ワケあり?」
「“神亀”のたまり場に避難させたかったんだけど……ひと足遅かったかあ」
「じんき……」
「わたしとカイが入ってる暴走族のことよ。神様に亀で、神亀」