死んでもあなたに愛されたい



第2の作戦は、とにかく体当たり。

当たって砕けろの精神でやってやる!



まずは魁運がよく使う裏門に、あたしもスニーカー片手に向かってみる。


あたしが教室を出たときには、すでに魁運の姿はなかった。

相変わらず行動が早い。


裏門から帰ってる確率が高いから、もしかしたら今なら追いつけるかも。



早歩きで裏口から校舎を抜けると、裏門の辺りにバイクが停まっていた。


あの大型バイクは……。




「マユちゃん先輩?」


「あら、ひとみんじゃない。ひさしぶり~」




バイク自体もそうだけど、彼自身、挙動不審に動いていてかなり目立っていた。


人通りの少ない裏門だったからよかったものの、先生に目撃されたら連行されていたのでは……?




「何してるんですか」


「カイを探してるんだけど見当たらなくてねぇ」


「魁運ならとっくに帰ったと思いますよ」


「ええ!? あいつ早すぎでしょ……」




あたしもそう思う。

魁運の時間だけ、速度を遅くしたいくらい。




「また集会ですか?」


「んーとねぇ、今回はちょっとワケありで」


「ワケあり?」


「“神亀(ジンキ)”のたまり場に避難させたかったんだけど……ひと足遅かったかあ」


「じんき……」


「わたしとカイが入ってる暴走族のことよ。神様に亀で、神亀」



< 48 / 329 >

この作品をシェア

pagetop