死んでもあなたに愛されたい
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放課後になり、あたしは第2の作戦に挑む決意をした。
帰り支度を済ませ、よそよそしくなった影野さんたちに「またね」とあいさつをする。返事はなかった。
魁運との接触はゼロじゃなくなった代わりに、友だちがゼロになった。
致し方ない。
影野さんたちにはまだ少し刺激が強すぎたんだ。
ショックはない。慣れてる。
……別に、慣れてるもん。
あたしを怖がる子と上辺だけの関係でいるより、あたしを大切に思ってくれる人と特別な関係になりたい。
『先に声をかけた俺が言うことじゃねぇけど、よく俺についてこようと思ったな』
『……あんた、変わってんな』
『あと、学校ではぜってぇ俺に関わるな』
『ひとみのためなんだ』
モヤモヤは、消えた。
不干渉が是とされている空間の中。
境界線を引かれているのが、彼にとって、当たり前だった。
あたしを守ろうと、自分から境界線を示したんだね。
でもごめんね。
出会ったときから気づいてたよ。
あなたもふつうではないこと。
死神っていう通り名はさすがに把握していなかったけど、1周回って、ちょっとかっこよく思えてきたかも。
だからもういいよね?
そんなありがた迷惑な境界線、ぶっ壊してあげる。