悪役令嬢満喫中につき邪魔は許しませんことよ！

０章

過去と現在

私の名前は高並まりあ“だった”
あの事故に遭うまでは。

「まりあちゃ〜ん！
早く起きないと遅れちゃうわよ？」

あぁ、憂鬱だなぁ……
「まりあちゃんは何でもできて偉いね」
「まりあなら出来るよ大丈夫。」
何もかも完璧。それ以外はありえない。
ママも、パパも完璧な私以外要らない。

それは、学校でもそうだった
「あっあの子でしょ、
“完璧主義の高並さん”本当近寄りがたいよね……なんか、完璧すぎて怖い。」

言われた通りに頑張ってただけ。
天才でも才能でもない何物でもない私の努力を見てくれる人は誰一人もいなかった。

そんな私の唯一の心のよりどころは
ファンタジー小説だった。
私には出来ない自分自身が生きたい道を
歩んでいくキャラクター達に憧れて、
ずっとあんな風になりたくて、
何度も読み返していた。

そしてそんな私は
赤信号で歩道へと突っ込んできた
トラックによって、



死んだ。(享年17歳だった)