イケメン拾った!魔法を隠して慎ましく?スローライフ…できてない!!
「そうか…申し訳なかった」

急なライアンの謝罪にレオナルドは何がなんだかわからない。わからないがわかることもできた。

「狼殿!ライアン隊長を連れてきてくださりありがとうございました!お返しくださり…感謝しております!」

レオナルドも頭を下げた。
少しずつ毛の逆立ちが収まってきた。受け入れてくれたんだろう。
ライアンには《ふん、バカ人間!!》と悪態が届いた。

「ときに狼殿…マキアージュが死ぬとはどういう」

《お前と命を分けたと言ったろう》

「では俺の為に寿命が尽きてしまうと言うことか!!」

あぁなんということか。
マキアージュがいなくなるなんてあってたまるか!俺なぞ捨て置けば良かったものを…命の受け渡しが叶うのなら返さねば!全てに愛される彼女がいないこの世など。
あぁマキアージュ!!

《やはり馬鹿だな、お前》

「えっ?」

《何をひとりで盛り上がっとるか》

急に批判されたライアン。心底呆れたと走りながらもやれやれと首をふる狼。

《なぜ愛され子の姫がそれっぽっちしか寿命を持たないと思っている。ならさっさと返せ。勿体ないわ…そんな簡単こともわからないバカとは話したくない》

レオナルドの背で軽く混乱しているとだんだんと見覚えある懐かしい景色に差し掛かった。
こんなにすんなり辿り着くとは…
マキアージュに仇なす者から全てが守っていたのだな。

《着いたぞ》

あの日一緒に暮らした小屋があの時と変わらずそこにあった。

《教えておいてやる》

去り際に聞こえた狼の声…

《姫は泣かない。いつも笑う。だが心が泣くのだ。涙を流したのはあの時だけ…》



「隊長…」
「あぁ…行こう」

レオナルドに支えられドアを開けた。
気配はしない。
右奥がマキアージュの部屋だ。

ふらつきながらもドアに向かう。あぁマキアージュ……


がったーん!
「痛ったーーーぃ!!」

部屋の中から物凄い音と懐かしい鈴が鳴るような声…悲鳴だが。
慌ててドアを開けるとそこには。


ベッドから転げたマキアージュの姿がこちらを向いていた。


「あっ、イケメンが二人も!!」

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