イケメン拾った!魔法を隠して慎ましく?スローライフ…できてない!!
行ったらおっさん、血だらけだった。
うずくまって何かを抱えてた。
血の色みたいなレオナルドと似たような形の隊服を着た奴らが蹴ったり殴ったりしてた…おっさんの声、聞こえない。

《バカ娘が目を覚ましてからだな。やっと道が通れるって言ってたぞ。直ぐに捕まったけどな!》

そうか。
もうすぐ来る頃だった。ライアンの服交換するんだった。

《あれはバカ娘にプレゼントだぜ!珍しい石が手に入ったから、なんとか…を渡したいって》

マキー!………おっさんは付いてない手を降って暖かい笑顔で小屋に来るんだ。いつもそうだから。

「やめて」

私の声に、血の色の服を纏った男達が振り向く。

「女?女………あぁ」

近くで眺めていた奴等も含めて十数人。全員が私を見た。

「お前が魔女か。見~つけた」
「旨そうな女ぁ…食いてぇ」

似た形の服を着てるけど、ライアンやレオナルドと同じ騎士とは思えなかった。
なんだこいつら、心底気持ち悪い。

「…うぅっ、マキ…ダメだ。逃げ…」
「死~ね」

おっさんの身体に剣が突き刺さったのが見えた………

「あぁ……っ!!」
「王に差し出す前に、これから俺たちとお楽しみだ♪なに、分かりゃしない。王だって同じことす………」

「熊ー!!!狼ー!!!鷹ー!!!」

大地を震わせるような怒りの、恐怖の、悲しみの鈴の鳴るような叫び声。
晴天が途端に暗転した。真夜中のように真っ黒な空、突風が吹き荒れる………太陽は遮られ、代わりに十字に切られたような4つに別れた紅い月が浮かぶ。

ウォーン!!!
ガァオーン!!!
ギャー!!!

共鳴するかのような生き物の叫び。呼ばれた三体だけではない。その種族、雄も雌も子も雛さえも叫ぶ。
自分等を呼んだ娘を家族とする全てが……

あれから三年。
18歳になっていたマキアージュ。
更に健やかに成長した素晴らしい身体に更に増した豊満な実り。神々に例えたいくらいの美しい顔立ち。
背丈以上も伸びた絹糸のような白銀髪、それがまるで一筋一筋が美しい蛇のように蠢き、その瞳はかつてのライアンの髪色であった深いブルーから真っ赤な鮮血色に染まっていた。
例えられた、妖精か人魚か女神か天女か聖女か…例えられるに値する表情はない。
今はまるで……無慈悲な悪魔のようであった。
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