甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?

 暁斗は製作者側だから、トラップについては全部知っているはず。

 あれ、それならこれって暁斗にとっては楽しいのかな?と、段々思えてきた。


 ――しかし。


「楽しかった」


 お化け屋敷と化した教室を出て、廊下へと出ると、暁斗は口元を緩ませて言った。

 あ、これは暁斗が本当に楽しいと思った時の顔だ。


「あれ、でも暁斗お化け屋敷の内容知ってたんだよね?」

「まあ、クラスの奴らと一緒に作ったからね。知ってるよ」

「……? 全部知ってたのに、暁斗楽しかったの?」

「花梨はつまんなかったの?」

「た、楽しかったよ!」


 暁斗が制作にかかわったお化け屋敷をつまらなかったなんて言うわけがない。

 実際に楽しかったし。

 まあ楽しかったのは、お化け屋敷の内容についてじゃなくて、暁斗が手を繋いでくれてエスコートしてくれたことについてだけどね……。

 正直お化け屋敷についてはほとんど覚えていない。
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