君といっしょに

「…終わり
痛くして、ごめん」


ううんと首を横に振ってくれる結菜…

痛いのが苦手なのに
いつも我慢させている。
それなのに本当優しいな…


「…じゃあ,俺このあと外来があるから
そろそろ行くね」


そう言って、結菜から離れようとするけど
手を握られる。

結菜の手は、この病室に入る前より震えていて

…不安なんだろうな
そう感じとれる。


………だけど
すぐに手を離されて


「…ごめんね。忙しいのに

お仕事頑張ってね」


結菜は無理に作った笑顔でそう言った。


少しだけでも結菜といられないかと思って
腕時計を見てみると
あと10分で外来が始まる時間だった


「ごめん…外来終わったらすぐくるから」


そう言って、病室を出る。





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