策士な課長と秘めてる彼女 ~出産編・育児編~
「勇気はしばらくリビングから出ていなさい。いくら小学生とはいえ、日葵の胸を俺以外の男に見せるわけにはいかない。もちろん柊もだ」

「柊くんもなの・・・?!一緒にお風呂に入ったことは何度もあるけど?」

「はあ?過去は過去。今後は誰にも見せるつもりはない」

娘が生まれようと、陽生のバリバリの日葵への執着が損なわれることはなかった・・・。

項垂れる日葵と違い、『お兄様大好き』『お兄様は神』と崇め奉る勇気は

「わかった。兄さん。僕も疲れちゃったから少し部屋で柊くんと横になるね」

と、忠実な臣下よろしく最敬礼してリビングを出ていった。

柊もしばらくは微妙な顔で陽生を見つめていたが、ついには

゛仕方ねえな゛

という顔をして勇気について出ていった。

毬ちゃんは・・・。

すでにリビングにはいなかった。

おそらくエサを食べにゲージに戻ったのだろうと思われる

マイペースで勘の鋭いお嬢様なのである。
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