策士な課長と秘めてる彼女 ~出産編・育児編~
『えっ、どういうこと?』

『有名私立だから入学させたのにいじめがあるなんて・・・』

ザワザワと会場がざわめきはじめる。

「被害に合われた児童ならびにご親族の方々、そして当校でお預かりしている児童の保護者の皆様にはご心配をおかけして誠に申し訳ありません。心より謝罪致します」

「「すみませんでした」」

職員が一斉に立ち上がり、保護者に向かってお辞儀をした。

しかし、ざわついた保護者の動揺はおさまらない。

いじめの張本人達の親は、肩身が狭そうにしているだけで、皆の前に醜態をさらす度胸はないようだった。

「今回の件に際しまして、当校の理事長であられます真島孝明様よりお話があります」

゛なんと、孝明じぃじは理事長という仕事もしていたのか!゛

入学したての美暖は、理事長というものがどういう立場の人かは良くわかっていなかったが、偉そうな立場の人なのだろうな、ということはわかった。

「会社でいえば、責任者で社長といったところだよ。校長先生は教育の責任者、理事長は経営の責任者なんだ」

隣で囁いた玲音の言葉になるほどと納得する。

美暖と日葵ママを溺愛するほんわか爺さんというイメージだったが外では違うらしい。

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