だから、言えない
やっぱり…
いつもと違う感じがするけど…
モップをとって、
倉庫に戻っているとき、
村薗先輩が急に思い出したかのように
こう言った。
「あ、そうだ、ことちゃん。
大晦日、また飲み過ぎて、
連に迷惑かけたらダメだよ」
先輩の顔を見上げると、
口元は笑っていても、
目が全く笑っていなかった。
「え?…はい!
もちろんです!」
もしかして、村薗先輩、
この事を怒ってるのかな?
塚尾さんに仕組まれたとはいえ、
あそこまで酔って、
佐山さんに迷惑をかけてしまったこと、
村薗先輩は怒ってるのかも…
「あの、忘年会の後は、
すみませんでした…
佐山さんにも迷惑をかけてしまって」
「俺に謝らないで。
連でしょう?」
先輩はそっけなくそう言った。