だから、言えない
片林さんはため息をついた。
「村薗」
「はい」
「お前、飯田にエクセル回すときは、
計算式入ってるとこ、
ロックしておけ」
「わかりました」
片林さんはまた自分の席に戻っていく。
あの人、怖いけど、
悪い人じゃないんだよね。
それに、仕事中じゃなければ、
結構優しくて、
どうでもいい話も親身になって
聞いてくれる人。
みんなもそれをわかってるから、
誰も片林さんを恨んだりは
していないと思う。
それに片林さんは
ボーイッシュ美人だから、
私は、個人的にすごく憧れてる。
あ、一人、片林さんのことを
嫌ってる人がいたね。