値札人間
「先生、あたし今朝からおかしいんです……」


手を貸してくれる先生へ向けて、あたしは今朝からの出来事をすべて説明した。


みんなの額に数字が見える。


もちろん、今先生の額に書かれている数字も見える。


だけどみんなには見えていないみたい。


鏡に写ると数字は見えなくなってしまう。


ひとつひとつ説明しながらも、自分で自分が滑稽に思えてきた。


こんなことおこるはずがない出来事なのだ。


「額の数字ねぇ……聞いたことのない話だわ」


熱心にあたしの説明を聞いていた先生は左右に首を振って言った。
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