値札人間
それは突然言葉ですぐには反応できなかった。


『ねぇ、俺と付き合ってよ』


その言葉がイブキの口から出てきたことが信じられなかった。


「あたしが……イブキの彼女になるの?」


質問する声が震えた。


全身が緊張で硬直しているのがわかった。


「ダメかな?」


イブキが小首をかしげて聞いてくる。


「ダメじゃない……ダメなわけがない!」


あたしは叫ぶように返事をしていた。


やった……!


これでそろったんだ。


完璧な友人と、完璧な彼氏。


これであたしの価値は、クラス1だ!!
< 198 / 226 >

この作品をシェア

pagetop