値札人間
「東郷。今日はよく頑張ったな」


先生はそう言いあたしに解答用紙を手渡してくる。


確認してみると、点数は100点だ。


あたしは嬉しさに自然と笑顔がこぼれた。


「最近授業であててもしっかり答えられてするし、この調子で頑張れよ」


「はい!」


数学の授業でほめられたのは初めてかもしれない。


それもこれも、イツミと仲良くしているからだ。


数値が見えていなかったら、それもなかったことだろう。


あたしは鼻歌を歌いながら自分の席へと戻ったのだった。
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