煙の中の彼

バイオレット·フィズ



私達の出会いは高校2年生の時。


クラス替えで友達と離れ憂鬱な初日だった。


「これ、あんたの?」

これからどうしよう、と頭を悩ませてた私に頭上から降ってきた声

顔を上げると綺麗な顔立ちの男子が立ってた。


「ねぇ、これ、あんたの?」

彼の手元を見ると私の大切なブレスレット。

「え、うそ!
ごめんなさい!ありがとうございます。」

「別に。大事ならなくすなよ。」

「はい、ごめんなさい」

「あと、敬語変。
タメだし。普通に話して。」

「わかった、ありがとう」

この拾ってくれた彼が聖だった。

当時から目立つ男の子だった。
綺麗でキラキラしてて少しぶっきらぼうな人。

いつだったか高校のオリエンテーションで天体観測をしてる時、いつも冷たい瞳が星を反射したかのようにキラキラ輝いてた。

それを見て私はこの男に恋したんだ。
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