例えば、君が
馬鹿の訪れ
季節は冬.

周りはすっかり受験モードの中
私1人が浮いている気がした.

「朝比奈、お前進路どうするんだ」

珈琲の匂いと暖かい空気がたちこめる職員室.

分厚いファイルを片手に私をジロリと見るその目は呆れかえっている.

「はあ」

「はあ、じゃないだろ。お前だけだぞ?この時期にそんなのんきでいるのは」

「まだ2年生なんだし、いいじゃないですか」

すっぱりそう言い返すと

大きなため息が担任の口から吐き出される。
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