つまり、会いたいんです。
「え? あれ?」

一花の頬に涙がぽろぽろ落ちている。

あれれ?なんだろう?

「ごめん、からかいすぎた?」
榛瑠が近づきながら聞く。

「ううん、違う。そんなんじゃあ…」

榛瑠は座っている一花の横に跪くと、彼女の頬をそっと拭った。

「ごめん、泣かないで」
「えっと、べつに…」

否定しようとして、逆に涙が溢れた。一花は榛瑠の肩に顔を埋めた。
榛瑠が頭を撫でながら抱きしめる。

ああ、おんなじだな、と思う。小さい頃から一緒。

「何でもないの。何だか変わらないなあって思ったら…。なんでだろう。ごめんね」

「大丈夫だよ、お嬢様。私もあなたも髪が伸びたりしましたけど、根本的に何も変わってません。だから大丈夫」

言われて一花は、ああ、そうか、と思う。ことんっ、と何かが心の中で収まる。

一花は榛瑠を見つめながら言った。

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