私、可愛がられてるんですか!?
「だろうな。お前の携帯だろこれ」
そう言った彼はブレザーのポケットから見覚えのあるピンク色の携帯を取り出し見せてきた。

「あ!!!それ私のです!返して下さいっ!」
座り込んでしまった私は勢い良く立ち彼の右手に握っている携帯を取ろうとした。

すると、彼は右腕を上にあげ私に返さなかった。


「これを返してもいいが条件がある。」


条件って何…。

嫌な予感がした。


「何ですか。」

「聴いてたことは誰にも言うな」



「もちろん言いませんよ!だからっ!」

私はジャンプをして取ろうとしたが思ったより彼の身長が高く跳ねたところで手までは届かなかった。


「それと本当に言わないか監視する為に俺の彼女になってもらう。」

「な、な、な、何言ってるんですか!見ず知らずの人にそんな彼女になれなんて!!言いませんから!」
そんな会ってすぐに彼女になれなんて嫌に決まっている。
私は少女漫画のような甘々で時には酸っぱいそんな恋がしてみたいんだから!


「これは決定事項だ、もしならないと言うなら退学にすることだって難しくはないからな。」



退学!!!!!?



制服が可愛いくて頑張って入ったこの高校を2年になった矢先で退学なんて絶対嫌だ!
そしたら恋愛も出来ないじゃない!

「どなたかは存じ上げませんが、退学は困ります。」



「なら、彼女になるんだな。」




そして私はたまたまぶつかったこの男と付き合ってしまうことになってしまった。



ー彼女(犬)として。



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