私、可愛がられてるんですか!?



「皆さんおはようございます。」



あ、この声。


私の携帯を持ってる彼の声だ。



「あの!わたしのっ」

横を通り過ぎようとした彼に携帯の事を言おうとしたとき、



「今日、放課後俺のいるクラスに来い。命令だ」
と彼は私だけにしか聞こえない音量で耳元で囁いた。


振り返ると愛想のいい優等生に見えた彼だが、
私に命令した時はレンズ越しにまるで獲物を喰らうような鋭い目が見えた。


同一人物とは思えないな。


そして彼は5組の教室に入っていく。




「由奈!ゆーな!教室入るよ!」
望は立ち尽くす私に声を掛ける。


「あ!そうね!」


そしてモヤモヤしたこの気持ちを抱いたまま、時間を過ごしていった。



ー キーンコーンカーンコーン♪



「じゃあ、私は部活行ってくるね!」
「うん!頑張ってね〜。」

そう言うと望は元気よく教室を出ていき体育館へバスケをしに向かった。




「はぁ、」


そう、私はこれから彼のいる5組へ行かなくてはいけない。


これがハプニングですか?

ニュースのお姉さん。


気が進まないけど今日こそ携帯を返してもらう為に行くとしますか!







ー ガラガラ。


教室の扉を横にスライドさせると、目の前には
あの男が腕を組んで立っていた。



夕景の中にいる彼を私は綺麗だなんて少し思ってしまった…前言撤回です!!!






今緋山由奈は、初めて男の人に壁ドンされています。




美しいなんて話じゃない


彼の目が恐怖心を揺らがせる。


その目を良く言えば、黒曜石のような瞳。
悪く言えば、暗く淀んだ瞳をしていた。



「な、な、な何ですか。」

誰かこの状況を説明してください!!
耐えきれません!


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