私、可愛がられてるんですか!?
ープルルルルプルルルル♪

この音は私の着信音!



「何だ。」
と言った彼は自分のブレザーのポケットから取り出した。


「それ私の携帯です!返して下さい!」

「返しやる。だが明日からここに来い。」

「何ですか!」

「何でか?それは愚問だな。答える必要は無い」

「なら来ません!」
私はそう宣言すると、余裕の笑みで彼は言い返す。


「今の行為を録音してある。これを広めて欲しくなければくるんだな。」

「最低!」



ー バシッ!



私は思わず彼の頬にビンタをしてしまった。




ビンタの反動で俯いた顔を少し上げ、純黒と言う言葉が相応しい艶のあるサラサラな髪の毛の隙間から黒い炎を燃やす目が見えた。



この人の瞳、やっぱり怖い。



そして彼は言う。



「面白い。」



そんな彼は子供が新しい玩具を手に入れたような微笑みをしていた。




ボタンもリボンも付け直し携帯を返された私は教室を出ていく。
また明日もこんなことをするのかと思うだけでまたため息が出てしまう。



ー『ラッキーカラーはピンクです!』


朝の記憶が蘇る。


そう言えばと思い、自分の携帯を見る。


あ、ピンクだ。


まさか自分の携帯に助けられるなんてね!


でも、初めてのキスは全然甘くなかった。

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