オオカミ社長と蜜夜同居~獣な彼の激しい愛には逆らえない~

「それなのに晴臣に『お前がいってやれ』なんてね。不器用っていうかなんていうか。まぁ、あの頃は美紅が中学生で一慶は大学生だったし、恋愛感情とは少し違っていたのかもしれないけど」


佐和子がクスクス笑う。
この前、一慶が言っていたことを思い出す。彼は美紅が晴臣を好きだと勘違いしていたのだ。だから、晴臣が助けたほうが喜ぶと考えたのだろう。

佐和子の言うとおり、一慶は不器用なのだ。

とはいえ勘違いはお互い様。美紅も一慶の好きな人は佐和子だとずっと思っていたのだから。


「もしかして、いっくんに幸司さんとの結婚を報告したのって……」
「美紅をひとりにするのが心配って言えば、一慶も動くかなって見越してね。美紅に考える隙を与えないために、ギリギリまで黙っていたの」


なんと、すべては佐和子の策略だったらしい。


「お父さんとお母さんにも、ふたりをなんとかしたいからってお願いしちゃった」
「お父さんたちにも!?」
「ふたりとも一慶と晴臣を大好きだから、一慶に美紅をもらってもらえるならってノリノリだったんだから」
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