オオカミ社長と蜜夜同居~獣な彼の激しい愛には逆らえない~


注文商品を梱包しながら琴乃が笑う。


「そうかな。……なんか恥ずかしい」


じつは少し前にファッション誌でハンドメイド作家の特集記事に美紅の作品が紹介されたのだ。小さいながらも美紅の顔写真まで掲載されてしまった。

その雑誌の発売直後から掲載商品の注文がさらに増え、現在は販売停止の状態に。一慶と再会してからの美紅は、まさに順調といえるだろう。

一慶のほうはというと、オープンした直営店はテレビなどでも取り上げられ、やはりこちらも好調だ。
来月にはイタリアでウエディングドレスのショーがあるらしく、今はその準備に奔走中。昨日ミラノの本社から帰ってきたばかりだ。


「あ、雑誌といえば、一慶さんが載ってるのも読みましたよ」


日本で今、一番ノリに乗っているデザイナーのため、雑誌でも引っ張りだこだ。美紅ですら全部の掲載誌を網羅するのは難しい。


「ミラノに帰るようなことが書かれていましたけど、そうしたら美紅さんも一緒に?」
「……え?」
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