暁の夕暮れ ~夏の章~
と、いうことで。
「おー…すげ、でっかいな…」
「ですね…」
昨年オープンした、『ジュエル・アクアリウム』という名前の水族館。
秋の後半にできたって聞いたんだけど、秋・冬・春ってお休みがなかったから…行けなかったんだよね。
だから、夏休みに皆さんと一緒に行きたかった訳で。
「ん?“夏の納涼展”…?」
「期間限定ってヤツ?」
「お、楽しみだね」
と、皆さんが話している。
「私、オープンした時からずーっと行ってみたかったんですよ。だから、嬉しいです」
そう言うと、咲夜さんは微笑んで、
「そっか。良かったね、ことね」
と言ってくれた。
「はい、すごく楽しみです!」
「それでは…と、その前に。全員でかたまっていては目立ちますし、2グループに別れますかね」
と、怜さんが言った。
「あー、そうですね。どう別れますか?」
「名前の順で、4、4で別れる?」
「そしたら、涼さんと冬麻さんと、私と秀也さん…それと、怜さんと蓮さんと咲夜さん、菜央さんですか」
私が呟くと、菜央さんは頷いて、
「すごいね、今の一瞬で分けられるって」
「うんうん、ほんと。尊敬するわ」
「えっ、そんな…恥ずかしいです…」
私がそう呟くと、怜さんはくすっと笑って、
「それじゃあ、皐結さんの割り振りどおりに、別れて行きましょうか」
「はい!」