暁の夕暮れ ~夏の章~
「……。スマホ…充電切れてるし…」
俺は一度、人が少ない屋上に出てスマホをいじろうとしたが、その前に充電が切れていた。
「…チッ、くそ…」
立ち上がって、再び探そうと屋内に戻る。
…他のヤツらは、誰かに連絡してくれただろうか。
俺1人に会う確率よりも、別のスイビーのメンバーに会う確率のほうが高いんだから。
「とりあえず…探すか」
俺は息をついて、階段を駆け降りた。
* * *
「……いない」
1階から7階まで、くまなく探したはずなんだが…。
アイツが移動していたら、会うかどうかは分からんが。
再び屋上に来た俺は、そこにあったベンチに座って空を仰いだ。
「なんでだ…」
誰かが会っていたとしても、別のメンバーが知っているはずだし。
俺はスマホの充電が切れてるから、結局分からなんだ。