公開告白される君と3日間の旅 ~夏休みは境界

開幕の風鈴が今鳴る


"壮絶か人生ぃ 如何"
"それ 始めの 縁起とは 如何"

僕がぁ、
『ゲッセマネの園』から
戻ってくると、
船では アフタヌーンパーティーを
していた ?ようだよ~。

" 過去の因縁が 舞台"

何せぇ、ジャグジーデッキが
泡だらけでぇ、

泡製造業機と化した
ジャグジーはぁ、

"雲偏に愛く 波幕"
"吹く風揺らぐ"

『ボコボコボコボコボコボコ』

泡の柱を 作っていたんだよぉ。

え?何かの呪いぃ?って
思っちゃった~。

"因果因縁""諸行無常"

しかもさぁ~これって
水着パーティー?

"輪廻転生""因縁の 舞台は"

大人女子会社だよねん。
ケーキスタンドに
果物、ケーキとサンドイッチ
なんて食ちゃってさぁ。

"寄せるる 白波""断崖絶壁"

大人女子ってのは、
スイーツがあれば、たいていすぐ
仲良く出来るからぁ

"一羽の 白鷺"
"飛び立つ にて "

僕だけ 仲間外れだよん。

"なにが 兆しか"

ハイハイ~みなさ~ん!
なんか、アワアワがぁ
えげつなく なってますよん。

"揺れる 女衣や 衣装達"
"柏木柏木ー"

オラオラで
シャンパン開けてるぅ?
キャーキャー

これはねぇ
ろくな 話してないよねん。

"在業消滅"" 家族供養"


「わー!ユキノジョウくん、
ユリヤちゃん!アワが止まら
ないってー!! 止めて止めて」

ヒイイイ。早く気がついてよぉ。

"事の顛末"
"聞きし 同情"

ボタン止めろ!バカ!って
副女さん、
やっぱり
いつもの副女さんと、ちがう?

ああ~
アワアワが あふれて、

"掌から 出てきたは"

「ちょっとおぉ~!わ、泡で
柱立ってるよぉ。止めてぇ
止めてぇ~、なんでもいい~!」

"君が蓋"
"愛おし 寺稚児や"

「ユキくん、ボタンあった。」

ナイス。
香箱ちゃん、
ボタン見つけてくれた~。
ジャグジー、止まった~。

"我が 名書かれし"
"香箱の 蓋!"

「「「「はぁ〰️。」」」」

大人達の声半端ない。

ジャグジーの回りがもう~
真っ白のアワアワだらけだぁ。


"ザンザと 泡立ちかけ上がる"
"高僧の右の手に 香箱の身"


「本当にぃ、そりゃ僕も よく
やった覚えあるけどぉ。なかなか
この泡ってぇ 消えないよぉ」

一応ね、腰に手をやるポーズで
怒っておくよん!

「え、オーナーって子どもでも
モンスターチルドレンですか?」

はい、
シオンくん、つっこまない~!

「わかってるなら、やめれば
いいのですよ、
オーナーお坊ちゃまは。」
はい、
ヨミくんも。やめてぇ~

白鷺くんとぉ、香箱ちゃんは
仲良く
外に出た泡を モップで
片付けていくねぇ。

"客の波間に間に"
"香箱を咥えて ゆらゆら"


「ほらー、ユキノジョウくん、
ユリヤちゃん!またふざけて!」

白鷺くんは、
犬が ブルブルするみたいに
泡を飛ばすって

"一羽の 白鷺"
"スイ飛び立つて"

あ、僕のスーツにも
飛んだよぉ。ま、いいや。
2人のケンカも 仲直り
みたいだから~。


"清水寺の僧がぁ 姫 に恋し"
"大破戒するが 長き舞台ぃ"


女性陣は またキャーキャー
楽しそうだよん。

"静寂の 境内に"
"始まりますわぁ 幕開け"

『リーーーーンリーーーーン』

ケーキスタンドがのる
テーブルからぁ、風鈴みたいな
電話の音。副女さんの?

あれって いっしゅん、
自分の電話か?ってなるよね~。


"リーーーーンと"
" 音色の 風鈴の声"


何気なくねぇ
副女さんが、電話を持って~
船の 1番はじっこに行く姿を
後ろから 見つめる。

電波が届き
にくいんだなって~
思ってたらね?

副女さんの背中が
強張った?気がして~

船の先端にぃ
終わった電話を 下ろしたまま
浜の向こう?
見ているの事にさ
気がついてしまった~。

「あっちは、、ゲッセマネ?」

そう 呟いてしまったかも
しれない。

とたんにぃ、
副女さんは、膝をついて
両手を組む。

"神聖なりし 仏の御名を 唱え"

あれはぁ、
祈りの姿勢?
まるで
必死に
組んだ手に 縋り付く様に~


"姫の身 仏に 近けんとす"
"あれ『十念』の功徳~ "


歯を噛み締めて
渾身でぇ 祈っているの?

何なんだろうか?。

"人の心とは 摩訶不思議"
"所化や 高僧 浮かばれぬ"
"心の奥の 波の音"

しばしぃ
唖然となる僕の耳に、

「あ!リボン!」

ふいに、

"来世で 必ず添い遂げるを 願い"

ギンガムチェックの水着に
白いリボンをしていた
香箱ちゃん が、
デッキのふちに立って、
さけんだのが
聞こえたら

白いリボンが
風に 揺らめいて


"寺稚児 ざんぶと 海へ飛び込む"

その先に
デッキの手すりを
使って 手をのばしたのが
白鷺くんが

"愛せし 寺稚児"

泡にすべり ながら
跳んだ?!

"潔し 断崖 投げ出し 落ちる姿"

「ユキくん!!」

「「あ!」」

"ああ 小さくなり姿"


バランスくずした 白鷺くんが
白いリボンを
持って、スローモーションで、
海に
吸い込まれる。

"顔面蒼白"

グラス持ちながら、

『白鷺くぅん~!』

"「白菊やぁい」"

て、呼ぶけど、

" 寺稚児を 探す声"
"遠きに 聞こえしを"


『バシャーン』

"只只 絶壁にて 放心するが"

落ちたね。

ヨミくんと、シオンくんが、
「「ユキノジョウくん!」」

"仰天は 所化"

ってハモって叫ぶと、
白鷺くんを 支えようと
手のばした 香箱ちゃんも


"荒れる波勢に ぽちゃり消えし"


『バシャーン』
となりの
海に 落っこちたね。

"愛おし 稚児"

仲良くてぇ、羨ましいよぉ。
って、思っちゃったねん。

副女さん達も、
落ちた 2人の上に
デッキから かけよって

「ユリヤ!ユキノジョウくん!」

海に 声をかけると、
2人の頭が浮かびあがったのが
見えた。

もう!!

"出でたる 黒子"
"二人を 七変化"

「「「「はあー、」」」」

だよ~。

「もうぅ、
夏の映画みたいな 事~
やめてくれるかなぁ。」

そんな僕の 非難めいた言葉に
副女さんが、
カラカラと 笑ってくれた。

にしても!
ヨットって
手すり低いよーねー!

シオンくんが、豪語してるよん。


はあ、って息をついたらさぁ、
さっきの 副女さんを
思い出してぇ、

"僧の衣と 姫の衣を 引っ張るや"

「ねぇ、さっきの電話ぁ?
何かあったのぉかな~。」

聞いたら、反対に

「ハジメさん、この後さ、
船で、アタシ達を 神戸まで
送ってっていたら怒る?」

って、笑顔で言われた~

"現れる 前幕の衣装"

「ええ~、そんな義理ないよぉ」

丁重にお断りしますだねん。


そしたらさぁ、
副女さん、テーブルに電話おいて
さっき白鷺くん達が
落ちた手すりに 駆け寄って

「車かしたし、チャペルだって
ヒントあげた。何より、答え!
聞きたくない?!」

"追って 荒海に"

「へ?」

"いけや所化!今いけ!"

『ザッパーーーン!』

そう言ってさぁ、
海へ!ダイブしたよ!!

そしたらさぁ!

「あ!副女さん 待ってー!」

"出奔 出奔"

って、白鷺くんのママさんも
躊躇なくさぁ。

"2つ 合わせて"

『ザッパーーーン!!!』

貴女もダイブぅ?!
水着だからって 淑女は 怖いなぁ。


"ダダンダダンと 柏木柏木ー "

あぁ?、
シオンくんだめだよ~!!
ダイブはぁ!!

"怖気け 躊躇し"
"死に遅れ 生き残りし"
"何故に 身投げ出来ぬか"

「後輩ちゃん!!着衣でダイブ、
やめときなさいって!!」

「えー!楽しそうじゃないですか!ヨミ先輩も 行きましょっ。」

やれやれだ。

『ハジメさーーん!港で合流
しましょう!!よろしく!』

"神場の社へ"と 消え失せる"
"断崖絶壁
"死に遅れ 生き残り"

海に浮かんだ 淑女の頭、
その1人から、叫ばれたのを

ヒラヒラと 手を振って応える。

"只只絶壁"
"秒読みか"
"在業消滅"
"迫る 舞台に "
"リーーーーン""リーーーーンと"

"音色の 風鈴の声"



< 61 / 66 >

この作品をシェア

pagetop