ねぇ、好き。

「……でもキスはしたよね？」

「はっ？　あれは……ただ…事故なだけで……」

もごもごと口もごる私をじっと見つめながら黙っているこいつの考えていることは全くわからない。

「…だから…——」

「あはっ。赤くなっちゃって。可愛い花だね。」

「な……っ」

——『私は高嶺の花ですよ』

その言葉を引用しているのかもしれないけど…めっちゃムカつく！

「…〜〜っ！」

ぶんっとスタンバイしていた拳で殴りかかると華麗にかわしてその上笑った。

「あはは。強気な割に結構弱い？　守りたくなっちゃうね。」

…意味わかんない。

「はぁぁ？　な…っに言って…」

まずい、顔が熱を持ってきた。

これじゃこいつの思うツボじゃないか。

「違うわっ。貴様があまりにも弱そうな輩だから少し手加減をしてやっただけで我は別に——」

「ふはっ…何ソレ。なんかのドラマかなんかの受け売り？」

……なんで、笑うの。