だれよりも近くて遠い君へ
「そうね、まぁ春の好きにしたらいいわ。
あっ、明日は学校を休んで病院の定期検診だからね。忘れないでよー。」

「はーい」
凪沙とご飯を食べたあと、私はさくに電話した。  

『もしもーし、はるだけど、今日は迷惑かけてごめんね?びっくりしたよー。全然記憶ないんだもん。』

『.......もう大丈夫なのか』

元気ないなあ、ほんとに嫌。

『完全復活だよ。もー、そんなにへこまないでよ』

『...........ごめん、また守れなかった。』

めんどくさいなあ、大丈夫だって言ってんのに。
病み上がりだからかなぁ、さくが思っていた以上にへこんでたから、モヤモヤしたのかも。
余計な言葉が止まんない。

『いつ、そんな事頼んだの.......私一回でも守ってって言った事あった?』

『.....................』

『そうやって、すぐ黙るんだよね。さくってそういう人だったよね。守って欲しいなんて私、思ったことないよっ!!!!』

『...ごめん』

『そんなのいらない。
ついでに、明日からもう来なくていいから。病院だし、ほんとに来ないで』

さくの返答を聞かないで私は電話を切った。
むしゃくしゃした。
謝って欲しいなんて思ってないし。
今日のことは、100%私が悪かったんだもん。
わかってるけど、むかつくんだ。
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