だれよりも近くて遠い君へ
スマホの電源を切る。
乱暴にベットの上にほって、寝転がる。
夜には似合わないほど、ドクドクと胸がうるさい。

小さいころはこんなんじゃなかった。
私は、さくと居たいと思って一緒に居た。
たぶん、さくも私と一緒に居たいと思ってくれていた。
だから一緒にいたのに。
自分の、自分たちの意思で選んでいたのにね。
今みたいにさくが無愛想でも、なんとなく何を考えているのかわかった。
隣に居るのが当たり前だったのに、
すごく楽しかったのに、なのにね。

今は全然楽しくない。

『お願い』に囚われているだけのそんな時間がいや。

今は一緒に居ても苦しいだけなんだよ。
解放して欲しい、解放したい。

ねぇ、さくは本当はどう思っているの。
わかんないよ。


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