マリンブルーの囁き




此処に来る時はいつも私ひとりだったけど、此処から去る時は私ひとりじゃなかった。

それは一度目の時も、二度目の時も、変わらなかった。




そして――…


「……やっぱり此処に居た」


――…三度目も、それは変わらないらしい。





砂を掬っては零し、掬っては零し、という意味の分からない行動を一体何回繰り返したか分からなくなった頃、聞き慣れた声がまるで背中を覆うように響く。


ザザン…と波の打つ音を聴きながら手元だけをピタリと止めた。




「…なんで、来たの?」



顔を俯かせたままそう言ったのは、振り返れない訳じゃない。振り返る必要がないからだ。
顔を確認しなくたって、私の斜め後ろに居る人物の正体なんて分かり切っている。




「瑠璃が帰ってこないから」


いつもと変らない声でそう返してくる夏向は、普段と何一つ変わらない無に近い表情を浮かべてるに違いない。

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