マリンブルーの囁き
波が打つ音に掻き消されてしまいそうなほど小さな声だった。
普段私のことになんて一切、首を突っ込まない夏向の忠告を聞かずに、のこのこと付いていった私を夏向は今この瞬間、どう思っているんだろう。
簡単に身体を許し、簡単に捨てられた私は、あまりにも惨めで滑稽ではないだろうか。
重たい腰をゆっくりと持ち上げた。
緩やかな沈黙が流れるだけで、何も言葉を返してこない夏向はどんな時でも夏向らしい。寸分の狂いも見せずに、いつも自分を貫いている。
…なのに、私はどうだろう。
まるで不規則な動きを見せる目の前の波のように、ただ目の前の事に流されているだけのように思えて仕方ない。
「…何か言ってよ」
「……」
「笑い飛ばしてくれた方が、マシなんだけど」
夏向は何も悪くないのに、こうして八つ当たりのような発言をしてしまう自分に心底嫌気が差す。