そしてまた、桜はさきほこる

3節 私の名前は・・・

通学路には枯れ葉が目立つようになった。


赤や黄色に彩られたたくさんの葉が道路全体を覆い、私の靴に踏まれるたび、クシャっとかわいい音を立てる。


気づけば、あの日から半年がたっていた。私の恋が始まったあの日から。


新学期に比べて、すっかり学校に到着する時間が遅くなってしまった私は、少し急ぎ足で学校へと向かう。


すると、校門の前に一人の女性がたっているのが見えた。・・・もしかして不審者?


しかし、その女性はとても困り顔でどうしたものかと校内を覗いていた。それに、年齢的にも明らかに、誰かこの学校の生徒の母親らしき人だった。


すると、その女性は私の視線に気が付いたのか、私に近づき、声をかけてきた。
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