じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~

こんなにも私を想ってくれている隆君。

彼の事が嫌いな訳じゃない。
でも、恋人として見る気持ちには、私はなれない。

それが申し訳なくて、どうしたらいいのかわからず、しばらくその場を動けなかった。



どれくらい時間がたったのか。

冬の日没は早く、辺りはもう暗くなり始めていた。


早く、帰らなきゃ。

何とか、フラつきながらも自転車をこぎ、暗くなった帰り道を急ぐ。



『先輩、どうしたらいいの?』


自然とこんな独り言を言っていた。

先輩の声が無性に聞きたくなった。電話、したら迷惑かな。

そんな事も考えたけど、我慢した。


あと少しで学校に来なくなってしまう先輩。
先輩も進路の事や準備などで大変なときに、私のことで煩わせてはいけない…。
そう、自分を戒めて先輩に甘えるのはいけないと、我慢した。


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