じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~

思わず、私は彼の肩に寄りかかり、握られた手をもう片方の手で更に握る。

寄りかかった肩で、顔を彼の顔の方へと向けると、彼もこちらを向いた。


目が合い、彼はそっと私の額にキスをした。

優しくて、甘い、愛しさが溢れる彼の額へのキス。

嬉しくて、彼を見ると真剣な彼の瞳。


幸せな気持ちで思わず、微笑む私。
彼も優しく微笑んで私を見つめる。

すると、彼の握っていないもう片方の手が私の頬に触れた。


『陽子、大好きだよ…』


そう言って彼の顔が近づいてくる。

私はそっと目を閉じた。
次の瞬間。

私の唇に温かくて柔らかい、でも、優しさを感じるものが…。

キス…。私、今、大好きな人とキスしてるんだ。
嬉しい…。

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