じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~
『陽子、うちら、とうとう卒業しちゃったんだね』
りこちゃんが感慨深げにそう言う。
『うん、とうとう卒業しちゃったね…』
『何かさぁ、水谷先輩や関口先輩に片想いしてた頃が懐かしいね。
それもいい思い出になったよね』
『うん、本当にそうだね。
私たちは先輩への片想いから高校生活が始まったもんね…』
『でも、今はこうやって、過去のいい思い出として語れることが嬉しくない?』
『うん、本当に嬉しい!
少し前まで、どうやってあの辛い大きなカベを乗り越えたらいいんだろう、って悩んでたんだよね。
それで隆君を傷つけてしまって…。
本当に申し訳ないと思ってる…』