じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~

いつも明るい人たちが、ああして静かだとクラスの中も何だか活気が感じられない。


気まずい雰囲気のなか、今日1日がはじまった。



担任の先生は中年の国語の男の先生。優しい中にも厳しさのある、私はけっこう好きな先生だ。


先生の元気な声で朝のHRが始まった。


『何だか、どうした?
今日はみんな、元気がないような気がするなぁ』


先生ってすごい。分かっちゃうんだね。
さすが、みんなをいつもちゃんと見てくれている証拠だね。


そんなところに感心している私がいた。



それどころではないのに、少しでも自分の気持ちを別の方へ向けないと、ますます元気がなくなり、落ち込んでしまうようで、自己防衛?なのかな。


わざと自分で気持ちを明るくなれるように仕向けた。



それでも目に入ってくる隆君や岩山君たちを見ると、やはり、それどころではなく、どうしたらいいんだろうと自問自答するようになった。


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