じれったい恋愛…~運命の人に気づくまで~
『(笑)なんだよ!
そんな水谷へのノロケみたいな話なんて聞きたくねえーよ!』
『わかったよ。俺はみっちゃんにとって、大事でも何でもないことくらい分かってるよ。
でも、この俺の気持ちは本物だから!』
『でも、本当に後悔しない?
俺、みっちゃんに拒まれたら学校も行かないよ?
それでも俺の事、振る?』
(はぁ…、何でこんな駆け引きみたいなこと言うのかなぁ。
学校に行かないと単位も足りなくて退学することになっちゃうのに、そんな大きな選択を私に迫るなんて、どうかしてるよ…)
『………。
学校は来てほしいです。
行かないと退学になっちゃいますよ?』
『なら、俺の彼女になってくれる?』
『それは、無理です』
『じゃあ、俺、学校辞めるわ!』
『それもダメです!
高校は卒業してほしいです』
『じゃあ。俺と付き合ってくれる?』
『無理です』
『どうして、そうやって困らせるんですか!』
『だってみっちゃんが好きだから、一緒に居たいんだもん!』
『そんな事、言われても困ります!』
『だってみっちゃんは、俺がどうなったって、いいって思ってるんでしょ?』
『思ってません!』
『じゃあ、俺を引き留めてよ!』
『学校は辞めないでください!
ちゃんと学校にも行ってください!』
『うん、わかった。じゃあ、俺の彼女になってくれたら、ちゃんと学校に行く!』
『はぁ…、もう!いい加減にしてください!
天笠先輩の彼女にはなれません!』
『………。
わかったよ…。もう困らせないから。
俺がもし学校辞めても、悲しまないでね』
そう言って天笠先輩は寂しそうに帰っていった。