一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~


「彼女とはなにもない」
「本当ですか?」
「仕事上のパートナーと男女の仲になるのは、仕事に差し支えが出る」


嘘ではなさそうだ。


「それで、どう思った?」


拓海は子どものように目をキラキラとさせた。すっかりいつもの拓海だ。


「どうって……ものすごく嫌でした」
「どんなふうに?」


どうしてそこまで追求するのか。本当に勘弁してほしい。


「……菊池さんに触らないでって」
「それから?」
「離れてって。……もういいじゃないですか」


いい加減にしてほしい。思い出しただけで胃のあたりがムカムカしてくる。


「実花子、かわいい」


拓海が飛びつくように実花子を抱きしめる。
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