一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~


「いえ、なにか作って待とうと思って。買い出しに行こうと」
「そっか。冷蔵庫の中なにもなくて驚かなかったか?」
「男の人の部屋って、そんなものですよね」


靴を脱いで部屋へ上がった拓海を追ってリビングへ戻る。


「大丈夫だったんですか? トラブルは解決しました? 白鳥さんのところにはいつから出掛けてたんですか?」


やっと拓海の顔を見て話をできるのがうれしくて、つい矢継ぎ早に質問をする。
拓海はネクタイを緩めながら、気だるそうな目を実花子に向けた。相当疲れているようだった。


「実花子がベッドルームに行ってからしばらくして」
「そうだったんですね」


なにも気づかずにベッドでスヤスヤ眠っていたらしい。それならひと言声を掛けてくれればよかったのに。ひとりなにも知らされないまま置かれたのが、やけに悲しい。


「ひとりにして悪かった。祐介くんにもお願いされていたのに」
「いえ大丈夫です。……それで、トラブルは?」
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