一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

「いえ、私も軽率でした。知らない人の車にあっさり乗ってしまったんですから」
「拓海くんに頼まれたと言われたんだろう? それなら信じても仕方ない」


そうだとしても、やはり確認すべきだったのだ。そうすれば今回のことは防げた。

ふと拓海の顔を見ると、白鳥と実花子のやり取りはまったく耳に入っていないようで、どこか思いつめた様子だった。
実花子の視線に気づき、その表情を崩す。


「拓海くんも今回は相当堪えたみたいだよ。僕のところへ駆けつけたときにはかなり取り乱していたから」


拓海は力なく笑った。いつもの覇気のある彼とは別人だった。


「拓海さん、心配させてごめんなさい」
「無事で本当によかった」


拓海が実花子を引き寄せる。白鳥がそばにいるのも構わず、長い時間実花子を強く抱きしめた。

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