皇女殿下の幸せフェードアウト計画
ルイーズは、ロベルトとロベルタの娘で私にとって幼馴染。

ユゼフとは親同士が決めた婚約者だったけれど、相思相愛で私は昔から羨ましかった。

だけど、私は皇女だからユゼフよりもっと良い相手がいるんだって思うことで留飲を下げていたのよね。

体が弱くて寝込んでばかりだったルイーズのことをどこかで下に見ていたけれど、同時にとても心配もしていて……そうやって考えれば考える程、記憶がない頃の私は本当に普通の、ごくごく一般的な感性の持ち主だったんじゃないかな。

(皇女はやっぱり私には荷が重いのよ)

それにしてもクッキーの件とか、私の知らないところで評価が上がっているとは思わなかった。ルイーズが小さい頃にたくさん食べたいって愚痴を零したこととかさっぱり覚えてなかったのに。

ルイーズが結婚した時にはクッキーをたくさんプレゼントしてあげるという約束を私が守ってくれただけって、そんなことある……!?

嘘でしょってあの場で叫ばなかった私を褒めてもらいたいくらいだわ。

しかもお母様の不義が記憶を取り戻した頃と合致って、いやそれホントただの偶然であって私が皆の視線を集めてお母様を庇おうとしてたとかそういうのまるでないのに止めてほしい……!!
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