私と彼女と一冊の本
「……」

彼女の言ってることが、あまりにも正論で私は言葉が見つからなかった。

「感情を持ったら、好きに動くことはいけないこと? 私はもう貴方じゃない。それにね、私はわたし、貴方はあなた。同じ人間は誰一人としていない。そうでしょう?」

「なに、それ……」


私は彼女を完璧の自分として呼び出しただけ。
なのに、なんで、そんな奴に説教されないといけないわけ?

「消えて」

「え?」

「消えろって言ってんの! アンタが私じゃないっていうんだったら、アンタなんかいらない。どっか行ってよ!!!」


「ゆかり……」

「私の名前を軽々しく呼ばないで!!!」

「……」

彼女は、私の前から居なくなった。
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